「もっとリビングが広ければ…」「子ども部屋がもう一つほしい!」など、ライフスタイルの変化とともに、心地良い住まいの姿は変わるもの。限られたスペースでも、既存の部屋をつなげたり分けたりと、間取りを変えれば使い勝手はぐんとアップ!
その具体例とポイントを、京都造形芸術大学環境デザイン学科の小野暁彦教授に教えてもらいました。
【Vol.1】リフォームのリクエストを整理しよう
①目的・用途を明確にする
今ある部屋をどう変更し、どのような生活を送りたいのか、具体的な要望をまとめ、リフォームの目的をしっかり伝えられるようにしておきましょう。
②優先順位をつける
絶対に変えたいことは何なのか、リフォームの譲れないポイントを決めましょう。また、部屋でお気に入りの部分があれば、それを残しつつリフォームすることも可能です。
③わが家の未来を想定する
ライフスタイルは変化するもの。フレキシブルに対応できる部屋をつくるためにも、おおまかな未来の家族の形を考えてみましょう。
【Case1】2LDKから1LDKへ
二間続きの和室が、ダイニング&寝室に
二間続きの和室を廃し、リビングダイニングが中心の間取りにリフォーム。アイランドキッチンを設けるために水回りを移動し、収納・納戸もたっぷりと設置。リビングの壁の奥、くびれた箇所には寝室を。リビングと隔てながらも、ダイニングと緩やかにつながる空間です。
【Case2】2Kから1Kへ
1フロアに〝くびれ〟を設け、緩やかに区切る
和室から洋室に変更し、水回りをあえて部屋の中心に配置。そうすることで、中央に「くびれ」が生まれ、その両側をリビングダイニング、寝室として使い分けることができるように。キッチンの作業場が、浴室・トイレへのアプローチを兼ね、スペースの無駄がなくなりました。
教えてくれたのは
京都造形芸術大学
環境デザイン学科
小野暁彦教授
1989年京都大学工学部建築学科卒業後、篠原一男アトリエ、NYのABRFなどを経て独立。一級建築士。第28回住まいのリフォームコンクール優秀賞、第13回長野県建築文化賞リノベーション部門優秀賞。
「リフォームの方法は家の状態や住まい手の要望によって、千差万別。さまざまな情報に触れ、検討し、イメージを高めることをお薦めします。本書を見たり、素材や機器のショールームに足を運んだり…。実際にリフォームをした人に話を聞いてみるのもいいですね。設計者や工務店さんと打ち合わせをしながら、最も自分に合ったプランに近づけていってください。」