「動線」から考える心地よい住まい【Vol.1】

家づくりのポイント

2021年3月5日

家づくりの中でしばしば耳にする言葉の一つ「動線」。 動線とは、人のさまざまな動きの流れ(軌跡)を指します。 実はこの動線をいかに計画するかが、 家づくりの成否を分けるともいわれています。
押さえておきたい動線の基礎知識と、 具体的なプランの考え方を探ってみましょう。

家の中には多彩な生活動線が

家の中には、生活を取り巻くたくさんの動線があります。トイレや洗面室・浴室に向かう「サニタリー動線」、洗濯・食事の支度・洗い物などの「家事動線」、仕事から帰りくつろぎの間に向かう「通勤動線」、お客さんにまつわる「来客動線」など、主なものだけでも数種類考えられます。

これらの動線が複雑に交差したり長すぎたりすると、“暮らしにくさ”を感じる住まいに。そのため、家族が日常どんな動きをするのかを整理した上で、合理的な動線計画を立てていくことが大切なのです。

生活動線を導くゾーニング

動線計画の手はじめにしておきたいのが「ゾーニング」。これは各部屋を性格ごとに分類・整理することを指します。

例えばリビング・ダイニングなど家族全員や来客が利用する「パブリックゾーン」、寝室・子ども部屋など各人が利用する「プライベートゾーン」、またトイレ・洗面室・浴室といった「サニタリーゾーン」など。これらのゾーンが重ならないように、使い勝手を考慮しながら配置を考えていきます。その使い勝手のポイントが「動線」です。

例えば来客の際、お客さんのいるリビングから見えるところにトイレがあった場合、なかなか使いづらい…という問題が生じます。これはパブリックゾーンとサニタリーゾーンがうまく切り分けられておらず、来客動線とサニタリー動線が重なっているため起こる問題といえます。

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