クセがある土地の上手な使い方【Vol.2】

家づくりのポイント

2020年11月13日

一見使いにくそうな土地も、アイデア次第でうんと快適に過ごせる方法がたくさんあります。
狭かったり段差があるなど、整形地に比べて家づくりの課題が多く見える敷地は 設計や施工に工夫をこらせば、土地のデメリットがプラスに転じることも。
そのヒントを京都建築専門学校の佐野春仁先生にうかがいました。

土地のクセを逆手に取って快適な住まいをつくる

課題が多い土地でも、しっかりプランニングを行った上で適切な工夫を施せば、心地良い生活空間をかなえることができます。
 そのための秘訣は、あれもこれも実現しようとしないこと。家づくりの軸となるテーマをもとに、家族が何を必要としているかなど重視すべき要素をしっかり見極めて課題に向き合いましょう。そうすることで、限られた敷地と予算の中で、デメリットをメリットにシフトできるアイデアが生まれます。
 前回に挙げた各種クセのある土地に抱く心配ごとに、解決方法の一例をご紹介します。

心配その1.庭をつくるスペースがない

【technic】敷地の空きスペースを1カ所にまとめれば庭に

開放的な住環境を整えるために有効な方法の一つが、庭をつくることです。しかし、敷地面積に余裕がないとなかなか難しいと考えられがちです。
そのような場合は、敷地の空きスペースを分散させず1カ所に集中させることで、小スペースでもまとまりのある庭がつくれます。
設計により庭と屋内をゆるやかにつなげることで、家の中に趣や潤いを与えてくれます。

敷地内に庭がつくりにくい場合は、家の中に屋外の要素を取り入れた空間をつくりましょう。写真は屋外の石畳が屋内まで続く玄関です。トップライト(天窓)も設けて、まるで庭のように開放的な空間を実現しています

心配その2.ゆったりくつろげる広い部屋を設けにくい

【technic】仕切り方の工夫で開放的に

クセのある土地では間取りが固定されやすく、広い部屋をつくるのが難しいことも。
そのようなケースに効果的なのが、ふすまのような可動間仕切り戸です。小さな部屋が続いても、仕切り戸を開け放てば伸びやかな空間に。シチュエーションに応じてフレキシブルに使うことができ、急な来客時でも安心です。
片引き戸タイプや折れ戸タイプなど、フルオープンにできるものがおすすめです。

教えてくれたのは

京都建築専門学校
佐野春仁 教務主任
よしやまち町家研究室代表

京都大学工学部建築学科卒業。一級建築士。財団法人啓明社理事やNPO法人緑の列島ネットワーク理事などを務める。京都市平成の京町家伝統型モデル棟の設計をはじめ、伝統や文化を生かした研究・開発などに取り組む

京都でかなえる家づくり表紙

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