「古くて使いにくい家を住みやすくしたい」「子どもが巣立ち、夫婦二人の暮らしに合わせた住まいがほしい」など、ひと言でリフォームといっても、その目的はさまざま。リフォームに先立ち知っておきたい心得と、暮らしをより豊かにし、住みやすさを高めるリフォームのアイデアを、京都府立大学 生命環境学部環境デザイン学科の准教授 鈴木健二さんに教えてもらいました。
【Vol.3】住みやすさを高めるリフォームのアイデアその①
リフォームには、数日で簡単にできることから大掛かりなものまで、さまざまな規模があります。予算や工期などの都合がつけば、ぜひ考えてほしいアイデアの一部をご紹介します。目的によって検討してみてください。
間取りの変更
個室の壁を取り払い、大空間のLDKに変更するリフォームが人気。家族にとって使い勝手がいい間取りや広さを考えましょう。水回りは、配管などの関係から位置を変えるのが難しい場合がありますが、入り口の方向を変えたり、動線を変えるだけでぐんと暮らしやすくなります。中には構造的に除いてはいけない柱や壁があるので、工務店などとよく相談してください。
耐震補強
耐震補強は、まず筋交いや補強金物、耐力壁などを入れる工事を行います。特に新耐震基準が導入された1981年より以前の建物は耐震補強をしておくのが理想。予算的に厳しいときは、無防備になりがちな寝室だけでも工事しておくと良いでしょう。また減築で屋根や外壁が減り、家の総重量が軽くなれば、結果的に耐震性が向上します。
教えてくれたのは
京都府立大学
生命環境学部環境デザイン学科
准教授 鈴木健二さん
「リフォームは新築に比べて制約が多く、手間がかかりがちですが、住まい手にとっては思い出とともに暮らせる分、より愛着のわくものになるのではないでしょうか。注意するのは〝やりすぎない〟こと。元の家の良さを生かしつつ、変えるべきところに少し手を加えて快適にするのが、満足感が高くなるリフォームだと考えます。工務店などとのコミュニケーションを大切に、自分たちの思いをしっかり伝えてください。」