家族のライフステージの変化に応じて、これまでの住まいに手を加えたいと思うことがあります。中でも子育て真っ最中の世代と、子育てが一段落した50代・60代のネクストシニア世代はリフォームを考える人が多いのではないでしょうか。そんな各世代の住まいづくりのポイントを、京都精華大学デザイン学部建築学科教授 葉山勉さんにうかがいました。。
子育て世代リフォーム
子どもの成長に合わせて暮らしを見守る
子どもが赤ちゃんから幼児、小学生、中学生へと成長していく過程では、年齢ごとに暮らし方も大きく異なります。どこで遊ばせるのか、子ども部屋は必要か、また思春期はどんなふうにコミュニケーションを取るかなど、考えるべきことはさまざま。だからこそ長い目でとらえ、住みながら必要なものを適切な時期に取り入れられるリフォームがお薦めです。
成長に応じて空間を自由に間仕切る設計
最近は子ども部屋をあえてつくらない家もありますが、成長して自室が必要になったときのために、空間を間仕切る可変式の仕組みを設計段階で考えておきましょう。壁に限らず、家具で仕切るのも有効的です。
必ずリビングを通る家族が顔を合わせる動線
思春期に差し掛かると、自室にこもりがちな子どもも多いのでは。玄関から自室に直接行けるような動線よりも、子ども部屋が2階ならリビング内に階段をつくるなど、自然に家族と顔を合わせる間取りになるように工夫しましょう。
DKからリビングまで目が行き届く間取り
未就学児は安全面からも、親の目が行き届く範囲で遊ばせたいもの。リビングで遊ぶ様子を見ながら家事ができる間取りにし、小学生以降の勉強も、自室より親の存在を感じられるLDKで行うのがお薦め。
教えてくれたのは
京都精華大学デザイン学部
建築学科建築コース教授
葉山 勉さん
「リフォームのポイントは、ライフステージに合わせた「暮らしやすさ」。動線やスペースをシンプルにすることで、フレキシブルな使い方が可能になります。最初からベストな間取りを決定しようと、あちこちに機能や物を設置するのではなく、「住みながら必要なものを、必要なタイミングで加えていく」ことが大切ではないでしょうか。また、リフォームによる減税や補助金などについても知っておくと有利なことも。工務店に相談する前に一度チェックしてみてください。」