老後の生活や高齢の親との同居などを考えたとき、気になってくるのが、住まいのバリアフリー化。バリアフリーは、かつては体の不自由な人が使いやすい設備を指していましたが、現在では、性別や世代を問わず、あらゆる人にとって使いやすい設備やデザインを意味しています。暮らす人全てが快適な生活を送ることのできるリフォームのヒントを、京都美術工芸大学建築学科の吉野剛特任教授に教えてもらいました。
【Vol.2】スポット別リフォーム②
バリアフリーの住まい 施工の基本ポイント
- Point1 手すりをつける
- Point2 段差をなくす
- Point3 引き戸に変える
- Point4 柔らか&すべりにくい床に
スポット別リフォームのここに注目!
リビング・ダイニング
転倒が大事故につながらないよう、床材を柔らかなものに変えましょう。必要な箇所だけタイルカーペットなどを設置するのもいいでしょう。造作家具などを設置する場合は、家具の角を丸くするなどの工夫も大切です。
キッチン
認知症になった場合、ガスをつけっ放しにして火災を招く恐れがあります。安全装置付きのガスレンジへの変更や、IHクッキングヒーターの導入を検討してみては。また、高齢者になると力が衰えてくるので、開閉しやすい水栓にする工夫も。
トイレ
まずは扉をスライド式、もしくは外開きに。内開きの場合、もしもの時に人が入っていると開かなくなる可能性があります。また手すりがあると立ち上がる際に便利です。介助が必要となる場合を想定し、人が2人入れるほどの広さを確保して。
教えてくれたのは
京都美術工芸大学
建築学科
吉野剛 特任教授
「快適な住まいは人それぞれ。自分たちにとって快適な家とはどういう形なのかを考え、リフォームで何を行いたいのか、しっかりと目的意識を持ってください。その思いを設計士や工務店に伝えましょう。経験豊富な工務店なら、思いを大切に汲み取り、希望の住まいをかなえてくれるでしょう。」