自然の力を生かした家づくり【Vol.2】

家づくりのポイント

2020年7月3日

穏やかな日差しがたっぷりと降り注ぎ、
爽やかな風が部屋の中を通り抜ける──
快適な空間を実現するためには、 光や風といった自然の力が欠かせません。
より明るく、暖かく、 いつも新鮮な空気が巡る住まい。
そんな理想の家をかなえるための工夫について、一般社団法人 京都府建築士会 木造建築研究会の市川宣広さんにうかがいました。

【Vol.2】光を効率よく取り入れる窓とは?

明るい家をかなえるための方法の一つが、効果的に窓を設けることです。土地の向く方角とともに、それぞれの方角に設けられた窓のメリット・デメリットを把握しておきましょう。


明るさを確保するためには、「空を眺められる窓をつくること」と市川さん。どの方角でも、室内から空が見える窓を設ければ、窓の大きさにかかわらず、明るさを得ることができるそう。
「例えば、目の前に通行量の多い道路があるため、大きな窓をつくることが難しかったとしても、小さな窓を高い位置に設けるだけで、明るさの確保が可能です。天窓を設ければ、北側でも驚くほど明るくなりますよ」。また、複数の方角に窓を設けるのも有効な手段。時間帯にかかわらず、常にどこかの窓から家の中に光が入るようになります。


高い位置の窓は、京都特有の細長地にも効果を発揮します。隣家と接し十分な日当たりが望めない家こそ、高所に窓を設ければそこから光が注ぎ、明るさが確保できるように。


また、庭をつくる予定があれば、広葉樹を植えるのも日差しの調節に有効です。夏は緑の葉が強い日差しを遮ってくれ、秋になり葉が落ちると、冬には室内に日が入るようになります。直射日光が入る部屋には特におすすめなのだとか。また、庭がない場合は、すだれやブラインドを用いて日差しを遮蔽し、効率良く生活の中に光を取り入れましょう。

光を取り入れるための
5つの窓の工夫

①‌小さくてもしっかり空が眺められる窓を!

②明るさをより期待するなら、吹き抜けや天窓を

③複数の方角に窓を

④細長地の場合は部屋の奥まで光を運ぶ高い位置に窓を

⑤直射日光を避けるために、遮蔽の仕掛け・設備を忘れずに

方角別 窓のメリット・デメリット

【南向きの窓】

○‌明るさや暖かさを、大いに確保できる
○‌冬も、暖かな日照が期待できる
×夏は暑さを伴う光が入る

【北向きの窓】

○‌太陽の動きに影響されにくく、一定した明るさを確保できる
○‌暑さを伴わないため、夏場は過ごしやすい
×日差しが直接入らない

【東向きの窓】

○朝は家の奥まで光が届く
○‌冬の朝は、部屋が暖かくなる
×‌夏は朝から暑さを伴う光が入る

【西向きの窓】

○夕方は家の奥まで光が届く
○‌冬の午後は、部屋が暖かくなる
×‌夏の午後は、暑さを伴う光が入る

教えてくれたのは

一般社団法人 京都府建築士会

一級・二級建築士、木造建築士など、設計や施工分野のプロフェッショナルのほか、行政や研究機関の職員も参加する団体。会員は京都府下の支部を含め約1,800人。建築士向け講習会の開催、建築関係法令の周知普及、京都のまちづくりへの助成、空き家相談、伝統家屋や木造建築物の研究などを行っている。

京都でかなえる家づくり表紙

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